9 posts tagged “変形体”
お久しぶりです。豆っこ倶楽部「菌類別館」です。
3月から2ヶ月半、春のキノコがどんどん出てくる大事な時期に更新できず、失礼いたしました。
ご無沙汰していました間に息子は小学生になり、珍しいキノコにたくさん出会ったり、変形体を家で飼ったり、(野生の)変形体を見つけたり、私たちの菌類観察もググッと前進しました。
遅ればせながら、過去にさかのぼって、これまでの分も少しずつお伝えしていきますので、ぜひご覧ください!
【It's New!】
●6月2日、再び現場へ(6/2)を更新いたしました。
●6月2日、次回に向けて(5/28)を更新いたしました。
●6月1日、変形体→子実体への道【まとめ】(5/27)を更新いたしました。
●6月1日、1枚の葉っぱに2種類の変形菌?(5/27)を更新いたしました。
●5月31日、変形体→子実体への道【4】(5/26)を更新いたしました。
●5月31日、変形体→子実体への道【3】(5/26)を更新いたしました。
●5月31日、変形体→子実体への道【2】(5/26)を更新いたしました。
●5月30日、変形体→子実体への道【1】(5/26)を更新いたしました。
●5月30日、遭遇!変形体、大発生(5/25)を更新いたしました。
●5月27日、雨上がり。公園へ急げ!(5/25)を更新いたしました。
●5月26日、我が家にキクラゲが生えました(5/25)を更新いたしました。
無事、子実体に変身した後もずーっと気になっていることがありました。
あれだけ変形体が大発生していたのだから、自然の中で子実体になったものがきっと残っているはず。見たい…
自然な状態でできた子実体は、家で作った子実体とどこか違いがあるのだろうか? 見たい…
1枚の葉っぱに2種類の変形菌がいたものについても、気になってるし…現場へ行けば何かわかるかもしれない。。。やっぱりもう一度行ってみよう…というわけで5月30日、小雨が降るなか、再度チャレンジしてきました。
5日前に変形体を見つけた場所をはっきり覚えていたので、再び訪れてみると、子実体はすぐに見つかりました。(うちの子たちと)「ちゃんと同じだ」。ホッとしました。
枯葉の絨毯をめくっていると、次々と子実体が現れました。大きな枯葉の上に7〜8cmくらいにわたってびっしりついている見事なものもありました(写真右端は変形体が這った跡)です。
ホネホ コリの子実体をルーペでじっくり観察してみると、真っ白な部分が剥がれ落ちて真ん中が黒っぽくなっているものもいくつか見られました。胞子を飛ばした後の状態ということでしょうか。
1枚の葉っぱに2種類の子実体ができている葉っぱも探してみることにしました。
変形体の時は2種類の見分けがつきませんでしたが、今回は子実体になっているので、簡単に見分けられます。
ホネホ コリだけがついている枯葉(枝)、カタホコリだけがついている枯葉(枝)に混じって、両方いる葉っぱが何枚か見つかったのです!
ということは、うちにある例の葉っぱも、最初から2種類の変形体が這い上がって子実体を形成した可能性が濃厚といってもよいかもしれません。すごい!
家にある葉っぱも含め、2種類の子実体はそれぞれ少し離れた場所に作られているケースがほとんどなのですが、1枚だけ同じエリアに2種類が入り混じっているものがありました。
こんなふうになった場合、強い変形菌の方がたくさん子実体を作るとか、両者が混ざると何かが起きるとか、何か変化があるのでしょうか?また新たな疑問が湧いてきました。
変形菌(変形体も子実体も)は見つけるのが難しいけれど、慣れた人たちからは「出てるときは、ものすごい数出てるんだよ」「そこらじゅう変形菌だらけ…なんてこともあるんだよ」と聞いていました。今回のような大発生はまさにそのケース。
私たちが見つけた2ヶ所だけでも、あたり一帯、かなり広い範囲にわたって、枯葉や枝に数え切れないくらいたくさんの変形体が発生していました(もっと探せ ばさらにたくさんのスポットがあったのでは…)。数にしてみると何百?いや何千?…。その中から(周囲の環境を壊さないように注意しながら)全部で32の葉っぱや枝を採集しました内訳は、枯葉21、生葉1、枝10です。
何もせずにそのままの状態で様子を見たもの(枯葉4、枝9)は、残念ながら全滅でした。
そのほとんどが子実体を作ることなく、家に着いてから6時間以内に消滅しました。
急激に乾燥させすぎたせいです。
失敗覚悟だったとはいえ、環境を変えなければ、公園で無事子実体に変身できたであろう子たちを、私たちの判断が悪かったためにダメにしてしまい、心が痛みます。。。
そう、これです。もしかして胞子?
変形体が消える間際に必死に出した胞子だとしたら、ぜひ第2世代を育ててあげたい。
胞子かどうかは顕微鏡で見ればわかるのですが、私たちはまだ持っていなくて、とにかくシャレーに寒天培地を作って、この胞子かもしれない茶色い粉を移動させました。
うまく第2世代の新しい変形体が発生したら、必ず報告します。
湿った紙袋の中で過ごしたもの(枯葉10)は最初の数時間はいち早く子実体形成へと動き、なかなか順調だったのですが、結局はうまくいきませんでした。半数は消滅組、もう半数は子実体になりそこねた不完全状態組に分かれました。
真ん中の灰色の段階まで行けた子たちは無事真っ白な子実体になれました。周辺の子実体はここまででストップ。お互いがくっついてしまって、表面もシワシワ。
全体像が見えてきた夜中の2時頃に、これら10枚の枯葉のうち2枚を、それぞれ1枚ずつ寒天培地とキッチンペーパーグループにすべりこませました。それが功を奏したのか、その2枚だけは何とか子実体を作ることができました。
こうして当初子実体を作るグループに振り分けられた組で、ちゃんと子実体に変身できたものは、わずか2枚(2/23で成功率8%)。散々な結果でした。
一方、飼おうとして寒天培地とキッチンペーパーの上で一晩過ごした子たちは、全員、見事な子実体に変身できました!(寒天培地:枯葉4、のち5、キッチンペーパー:枯葉3、のち4、小枝1) 何と成功率100%。
適度に湿っていた環境が変身にちょうどよかったのでしょうか。
変形体は餌を求めている時期は当然、餌となるバクテリアなどが生息する枯葉や倒木を動き回るのですが、子実体を形成する場は必ずしも餌になりうる場とは限らないそうです。だから無機質な物質の上で子実体が見つかることもあるそうなのです。
今回も枯葉からキッチンペーパーに降りて子実体を作った小さな塊もありました。
変形体→子実体に変身させるのも決して容易なことではないそうで、そう聞くとちょっと救われた気分でした。
変形体→子実体変身中の途中から1枚の葉っぱだけ様子が違うことに気がつきました。
変形体が2種類いる? こんなことってありなんでしょうか?
10倍のルーペでのぞき、『日本変形菌類図鑑』も手元に置いてじっくり観察してみました。
子実体が大きく真白い方は、平たく柄はついていない。楕円形や曲玉形。くっつきあって密集している。真ん中におへそのような凹み。最後は灰色→白色に変化。ホネホコリの仲間?
子実体が小さな灰色の方は、柄がついていて球形。ひとつずつ離れて生えている。最後は茶色→灰色に変化。カタホコリの仲間?
1枚の葉っぱに複数の変形体が集まることはあるのでしょうか?
但し今回は、よく考えてみると、採集過程での私たちの人為的なミスがこの事態を引き起こした可能性もあるのです。
変形体を採集した場所は2ヶ所。変形体の見た目がそっくりだったこともあり、かなりずさんに扱ってしまいました。
→持ち帰る時に同じ箱に入れてしまった可能性あり?
→持ち帰った後、寒天培地で経過観察をしましたが、その時に一緒にしてしまったので、変形体が別の葉っぱに移動した可能性あり?
どうしても気になり、変形体発見の報告と共に、いつもお世話になっている生命の星・地球博物館の学芸員の先生に写真を送って質問してみました。(先生、お忙しいなかありがとうございました!)
2つの変形体はそれぞれホネホコリの仲間とホネホコリの仲間でよさそう。それ以上のことは標本を実際に見て同定とのことでした。
そして複数の変形体が同じ葉の上にやってくることもあるとのこと。
それってかなりすごいことかもしれない。。。考えれば考えるほどそんな気持ちになってきました。
夜中になると葉っぱの裏側に移動。子実体を作り始めます。
さて「おかーちゃんは夜遅くまで起きていて、変形体の様子を見るの? ずるい!」と、ごねて、がんばっていた息子も眠気には勝てず沈没しました。
夜の10時、小枝に巻き付いていた変形体はほぼ消滅しました(涙)。
一方、飼うことにして餌をあげた変形体たちは、一向に餌を食べる気配がありません。むしろ、なんだか子実体を作ろうとしているような気配。。。
夜中の0時近くなって、状況が動き出しました!
いち早く変化が起きたのは、湿った紙袋の中にいる子たちでした。
草むらから持ち帰った若い子実体たちが茶色く変身しだしました。
寒天培地やキッチンペーパーの上でも、同じような感じになってきました。
変形体が巻き付いた小枝を握りしめて電車に乗っていると、状況は刻一刻と変わっていきます。
よく見ると子実体を作り始めている!
変身が始まってしまったのです。大変! 電車の中でも写真撮らないと。。。
あまりの美しさに二人で見とれて、小枝をむきだしで持って帰ってしまった私たち。
「子実体を作るには明るいところで乾燥させる」という知識だけで、そのままにしていたのですが、家に着いた頃には変形体の動きが鈍くなり、みるみる領地を縮小していきます。
(急激に乾燥しようとしすぎていたわけですが、当時はそのことがまったくわからず。。。)
持ち帰った葉っぱや小枝は全部で30くらいありました。
そのうち半分弱は子実体を作ろう!というもくろみで、そのままの状態で様子を見ることに。
湿らせた紙袋に入れて帰った葉っぱたちは、とても元気な様子だったので、袋に入った状態で、やはり子実体を作るグループに。
残り1/3は飼ってみようということで、2%の寒天培地を急いで作りました。その培地の上に葉っぱ4枚、湿らせたキッチンペーパーの上に葉っぱ3枚+小枝1本。
変形体が這い出してきそうな場所に餌のオートミールも置きました。
さあ、準備が整いました! 現在時刻は6時半。
今晩中に子実体になるのかなあ?
ドキドキしてきました。。。
園内をざっと一周して、変形体が確認できたのは大きく2ヶ所。
1つは薄暗い小道の脇、もう1つは少し開けた明るい草むらの脇で、どちらも同じように枯れ葉が幾重にも敷き詰められていました。
特に、薄暗い小道の周辺はかなりの広範囲にわたってものすごい量の変形体が見られました。枯葉の上、小枝、そして木や草にも這い上がろうとしていて、まさに活動開始〜!という瞬間に立ち会えたのでしょう。子実体らしきものは探してみたけれど、そこでは見つけらませんでした。
一方、開けた草むらの方はだいぶ明るい場所。
そのせいか、変形体もあるけれど、若い子実体に変化しているものがごっちゃりいる。若い子実体は乳白色で雨に濡れて本当に美しい。ちょっとでも触れるとアッという間にくずれてしまいそう。
畳半畳くらいの広さがこんな感じになってました!
変形体を持ち帰って子実体にしてみよう。それからもちろん飼ってみよう。
初めての経験なので、うまくいかないかもしれません。でもとにかくトライしてみよう!
帰り際、最後にもう一度、大発生の場所に行くと、長さ20cmくらいの枝に白い変形体が巻き付いているものを発見!
息子はそれを大事に握りしめて電車に乗り、家へと急いだのでした。
公園の林の中の暗い小道を進んで歩いていると息子が突然立ち止まり「変・形・体だ!」と叫びました。
変形体は変形菌の若い時期の呼び名で、自由自在に形を変えながら森の中を移動しています。
私たちも実験用モジホコリに続いて、野生の変形体も飼った経験を経て、だいぶ変形体というものに慣れてはきたものの、自然の中で自力で探し当てたことはまだなかったのです。
息子が指さすあたりに視線を落とすと、枯れ葉が敷き詰められているところが一ヶ所だけ真白くなっている!
さらによく見るとたくさんの落ち葉の上をまたがって白い変形体が広がっているのがはっきり確認できました。
先端部分が扇型に広がっている。まぎれもなく変形体だ!
きちんと見るのは初めてだけれども、容易に確信できるほどにその変形体は見事だったのです。
しゃがんで周囲をじっくり見てみると、あたりは変形体だらけでした!
子実体の大発生は昨秋体験しましたが、変形体をこれだけまとまって見たのは初めてです。
踊り回る息子。
あわててカメラを取り出し「写真撮るまで触らないで〜」と叫びながら、シャッターを押しまくる母ブリアン。
二人とも大興奮です!